ZARD「君とのDistance」レビュー

君とのDistance レンタルCDの話題第2弾。今回はZARDが昨年9月に発売したオリジナルとしては11枚目のアルバムである「君とのDistance 」です。簡単ながら各曲紹介(レビュー)と全体のレビューを。

1. 夏を待つセイル(帆)のように
テーマパークでかかっていそうなにぎやかなイントロから始まるバラード。劇場版コナンの主題歌だったためか、いかにもな感じで盛り上がる展開は悪くないのですが、詞が妙に子供っぽくて違和感がありました。それと、ストリングスが打ち込みで安っぽい感じがしたのも残念。

2. サヨナラまでのディスタンス
初期の作風に近いマイナー調のアップテンポ。詞は挑戦的ながらも年齢を経た現在のZARDらしくてなかなかよいです。葉山さんの全体的に抑えたアレンジが秀逸。

3. かけがえのないもの
ライブのラスト向きな王道のバラード。前作アルバムではZARDと相性の合わない編曲をして今ひとつだった小林さんですが、この曲といい、今作ではなかなかよい感じです。いかにもな展開はありきたりではありますが、安心して聴けるので悪くないですね。ただし、特にメロ部分の歌詞のハマり方が悪いのと、「勝ち組」という言葉は無理やり使ったような印象で違和感を覚えたのがマイナス点でしょうか。

4. 今日はゆっくり話そう
ゴスペルを意識したコーラスが特徴的なミディアムナンバー。コーラスとバンドサウンドなアレンジは徳永さんらしく、ZARDとも合っていますね。ただ、メロディーが悪いのをアレンジでごまかしている感はやや強く、歌唱も苦しげなのはちょっといただけませんね。

5. 君とのふれあい
アルバムの裏タイトル曲とも言えそうな曲。おだやかな曲調と詞は現在のZARDの形を提示している意味でなかなか侮れないのではないでしょうか。丁寧に作られた事が伝わってきます。

6. セパレート・ウェイズ
古井さんのGARNET CROWで培ったアレンジ力がよく出た佳曲。間奏のトランペットは珍しいですが、哀愁が漂う曲調に合っていて見事。ただ、歌唱が全体的に苦しげで、特に最後の高音が酷かったのが惜しいです。

7. Last Good-bye
FIELD OF VIEWへの歌詞提供を行ったものをセルフカバー。アレンジは同じ葉山さんですが、原曲よりも落ち着いた雰囲気と哀愁のある歌声が曲にはもちろん、秋をテーマにしたと思われるアルバムにも調和しています。

8. 星のかがやきよ
SFの近未来的でわくわくするようなイントロは曲のタイトルとも合っていてなかなかよいです。しかし、メロディーと歌唱の悪さが耳についてしまいました。リピートに耐えうる楽曲とは言い切れないでしょうか。

9. 月に願いを
3拍子が珍しいワルツ的な小品。大野さん、竹井さんなどの女性による多重コーラスが非常に美しく、絶品です。アルバム内での箸休めとなっています。

10. あなたと共に生きてゆく
テレサ・テンさんに歌詞提供したバラード曲。ウエディングソングなので、ある程度の歳を経た現在セルフカバーしたのはよいのですが、最後など高音が出ていないのが辛いです。作曲者である織田さんのメロディーはZARDとも相性がよく、さすが。

11. I can't tell
栗林さん作曲の取り置きしていた作品。それだけあり、メロディーはまずまずで面白い作品となっています。ただ、遅いテンポで歌っていたボーカルを機械でテンポアップしたためか、歌声が不自然で聴いていて苦しいと感じてしまいました。

12. good-night sweetheart
徳永さんのやっつけ仕事が出てしまったアップテンポ曲。アレンジでかろうじて取り繕った感じで、メロディーの悪さもさることながら、歌詞が妙に可愛らしくてアルバム内で浮いている感じを受けました。とはいえ、大田さんを初めとしたコーラス陣はとても厚く、そちらを目的に聴かれるのはありだと思います(笑)

13. 君と今日のことを一生忘れない
アルバムの最後を飾るのにふさわしい大作バラード。Eメロまである複雑な曲構成で、最後まで飽きることなく聴けます。3年前からトラック製作が進められただけあり、作曲・編曲で徳永さんがよい仕事をなさったと思います。

全体としてはベストアルバム後に発売したアルバムの中では一番よい作品だと思います。既出曲が多い上にリミックスが2曲、最後はショートバージョンの曲と憤慨ものの「時間の翼」はともかく、「止まっていた時計が今動き出した」でもGIZAクリエイターとの相性の悪さ、(特に大野さん作曲の)メロディーの悪さが目立ち、通して聴くには難があるアルバムでした。

今回は前作アルバムでの問題点であるクリエイターの問題を

  • 以前からZARDを手がけていて相性のよい葉山さんが大半のアレンジを手がける
  • 以前からある曲やセルフカバーで現在の作曲者を極力使わない
  • それでも微妙な曲は葉山さんを初めとしたアレンジャーの力で聴けるものにした
とやや強引な方法で解決したことにより、それなりに聴けるものになっています。

しかしそれでも坂井さんの声の衰えは避けられず、聞き苦しいと感じてしまった曲も少なからず存在しました。歌詞に関してはシングル曲はタイアップに合わせたためか違和感を感じる曲もありましたが、全体的には地に足の着いたものだったと思います。今回、第2期から現在のZARD像を提示する事はできたと思うので、今後それをどう活かして行くか、声の問題をどうするかが重要なのかなと感じました。

comments

stray | 2006/06/09 10:39 PM
秋さん、こんばんは。
ZARDのニュー?アルバム聴いてくれてどうもありがとう!(笑)
それにしても秋さんのレビューはいつも的を射ていてお見事です。
音楽業界への就職もありなんじゃ…(笑)。

私のお気に入りは「君とのふれあい」です。
侮れないどころか近年のZARD作品の中では名曲と呼んでもよい出来栄えだと思っています。
泉水さんの声の衰え(声質が低くなって高音が出ない)はファンとして至極残念ですが。
| 2006/06/26 08:08 PM
返信が非常に遅くなってしまって本当にすみません・・m(_ _)m

>strayさん
こんばんは。
ZARDのこのアルバムは以前から聴きたいと思っていたのでようやくです。
私のレビューはそれほど凄いものではありませんよ(;^_^A
まして音楽業界に就職などしてしまったらこのブログは出来なくなりそうな・・(笑)

「君とのふれあい」はしみじみとしたいい曲ですよね。
私の好みとは少し違う感じですが、これからの彼女には合っていそうです。
坂井さんの声の衰えは歯がゆいものですね。。
だからこそ、彼女の声質に合ったメロディーを用意して欲しいとも思いました・・。

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